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「あの音」が記憶に残る理由──ジョン・ウィリアムズと音商標の共通点

音を聞いただけで、「あ、あの映画だ!」とすぐに分かることがあります。

たとえば映画『E.T.』や『ジュラシック・パーク』。あるいは『スター・ウォーズ』『ハリー・ポッター』。これらの名作映画の音楽を手がけたのは、アメリカの作曲家ジョン・ウィリアムズです。彼の作品は、わずか数音で私たちの記憶を刺激し、感情を揺さぶります。

その“すぐに分かる”力は、実は**音商標(サウンドロゴ)**の世界にも共通しています。

この記事では、「なぜジョン・ウィリアムズの音楽は記憶に残るのか?」「なぜ音商標も“ドレミ”が重要なのか?」を、シンプルに解き明かしていきます。


目次

ジョン・ウィリアムズの音楽が「すぐに分かる」3つの理由

1. シンプルで覚えやすいメロディー

ジョン・ウィリアムズの楽曲は、複雑なようでいて実はとてもシンプルな構造を持っています。たとえば『ジュラシック・パーク』のテーマの冒頭は、以下のような流れです:

ソー ドー レー ミー レーー♪

ドレミ音階に近い自然な上昇メロディーで構成されており、初めて聴いてもすっと耳に入ってきます。これは童謡や校歌にも共通する性質で、人間の脳にとって認識しやすいパターンです。

2. 感情を揺さぶるコード進行(和音)

ウィリアムズは、感動的なシーンではメジャーコードを、緊迫した場面ではマイナーコードや**ディミニッシュ(不安定な和音)**を巧みに組み合わせて、感情を操るように音を展開します。

ただ「ドレミ」を並べるのではなく、その背景にある「和音進行(コード)」が、映画の世界観を作り上げているのです。

3. オーケストラの魔術師

彼はオーケストレーションの天才でもあります。

たとえば『E.T.』の感動シーンでは、ストリングス(弦楽器)が天に舞い上がるような旋律を奏で、ホルンやフルートが空を飛ぶようなイメージを後押しします。これは音そのものだけでなく、「どの楽器で、どの音を、どのように鳴らすか」を計算し尽くした結果なのです。


音商標にも「ドレミ」が効いている?

ここで視点を変えてみましょう。

私たちは日常の中で、「音」を通じて企業やブランドを識別していることがあります。たとえば、次のような音に心当たりはないでしょうか?

  • 「ワオーン♪」と鳴く犬の声(イオンの電子マネー「WAON」)
  • 「ヒ・サ・ミ・ツ♪」の3音(久光製薬)
  • 「キレイ・キレイ〜♪」のCMソング(ライオン)


これらはすべて音商標として商標登録された「ブランドの音」なのです。

https://www.jpo.go.jp/news/kids_page/shohyo.html

音商標とは?

2015年から日本でも導入された「音商標(サウンドトレードマーク)」は、視覚に頼らず、聴覚によって識別できるブランドの要素を保護する制度です。今や多くの企業が「耳に残る音」を戦略的に活用しています。


なぜ「ドレミ」が有効なのか?

ジョン・ウィリアムズの楽曲が「ドレミ音階」によって親しみやすくなっているように、音商標でもドレミ音階の利用はとても有効です。

● 理由1:覚えやすい

音階に沿ったメロディーは、脳がパターンとして認識しやすく、1度聞いただけでも記憶に残ります。これは広告戦略において非常に大きな武器です。

● 理由2:歌いやすい・伝播しやすい

「ヒサミツ♪」のように、歌えるフレーズは人の口から人へ自然と広まります。SNSや動画共有の時代では、“耳に残る音”が拡散力を持つのです。

● 理由3:感情を動かせる

短い音でも「安心感」や「楽しさ」「高級感」などの感情を喚起することができます。これは音階だけでなく、コード進行(和音)やテンポ、音色の工夫によって達成されます。


もし新しく音商標を作るなら?

例えば、「メルカリ」や「カラリオ」のような語感のブランド名があるとします。

このような言葉に対して、共通のドレミ音階ベースの音商標を作ることは可能でしょうか?答えは「はい」です。

しかし、完全に同じ音商標にすると識別性が薄れてしまう可能性があるため、以下のような工夫が考えられます:

  • メロディーは共通にして、テンポやキー(音の高さ)を変える
  • 音階は似せつつ、リズムや語尾を変える
  • 同じ旋律でも異なる楽器やアレンジにする(たとえばメルカリは電子音、カラリオは木琴風など)

「音のブランド」は記憶に残る未来の資産

今後、動画広告やスマートスピーカー、音声AIの普及により、「音によるブランド認知」はますます重要になります。視覚ではなく、耳から入る情報で判断される時代です。

そのためには、ただ派手な効果音をつけるのではなく、音楽理論に基づいた“人の記憶に残る音”=ドレミ音階やコード進行の工夫が求められます。


まとめ

ジョン・ウィリアムズの名作音楽は、単に映画のBGMではありません。それは、音の力で感情と記憶に働きかける、極めて高度なブランディングツールでもあるのです。

同じように、音商標もまた、企業や製品の“音の顔”として、ドレミ音階や音の構造をうまく使うことで、より多くの人の心に届く存在になり得ます。

「あ、あの音だ!」

そう思わせる力は、ドレミの魔法と、感性と、ちょっとした理論の積み重ねから生まれているのです。

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