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iPhoneが目を持った?Visual Intelligenceが日常を変える未来

2024年4月、Appleの新しいAI機能「Apple Intelligence」がついに日本語環境でも利用可能となりました。派手な演出や話題性では他社のAIには及ばないかもしれませんが、実は私たちの生活を静かに、しかし確実に変え始めているのです。

その中でも特に注目したいのが「Visual Intelligence(ビジュアル・インテリジェンス)」という機能です。これは、iPhoneのカメラがまるで“AIの目”になったかのように、写真を撮るだけで様々な情報を読み取り、理解し、私たちに役立つかたちで教えてくれるというものです。

写真を撮るだけで、AIが判断してくれる

使い方はとてもシンプル。対象にカメラを向け、シャッターボタンを押すだけ。特定のiPhone機種(15 Pro以降など)では、アクションボタンを押すとカメラが虹色に光り、Visual Intelligenceが起動します。

ここで選べるのが、「質問」や「検索」といったメニュー。「質問」を選ぶと、その画像をChatGPTに送って分析し、内容を説明してくれるのです。例えば、部屋にある植物を撮ると「これはレモンの木です。室内に置くことでリラックス効果があります」といった解説が表示されます。

しかも、このとき使うプロンプト(AIに渡す指示文)はすべてApple側で自動生成されるため、ユーザーは難しい操作を意識しなくても済みます。

この手軽さこそ、Appleが目指している「誰でも使えるAI」の形です。

生成AIが“読む”“訳す”“計算する”時代に

Visual Intelligenceの驚くべき点は、画像に含まれる情報をただ識別するだけでなく、その意味を解釈してくれることにあります。

たとえば、スペイン語で書かれたレストランのメニューを撮影すると、「翻訳」ボタンで画面上に訳文を表示することができます。一方、「質問」ボタンを使えば、メニュー全体をChatGPTが読み取り、要約した形で訳してくれます。

さらに、英文や中国語などの長文も、簡潔に要約。内容をざっくり把握できるため、「この文章はしっかり読むべきかどうか?」の判断が瞬時にできるのです。

このような機能は、ただ便利なだけでなく、情報の取捨選択能力を高める道具にもなるのです。

表計算や名刺管理まで

Visual Intelligenceは画像中の表を認識し、そこから数字を読み取り、計算までしてくれます。たとえば、表の「小計」列の合計を出すよう指示すれば、ChatGPTが処理してくれるのです。これにより、書類やレポートをスプレッドシートに取り込んで、計算作業を自動化することも可能に。

また、名刺を読み取れば、名前や会社名、電話番号などを自動認識し、そこから直接電話をかけたり、メールを送ったりすることもできます。今後さらに連携が進めば、連絡先への自動登録も可能になるでしょう。

プログラミングもサポートしてくれる

Visual Intelligenceの対応範囲は意外と広く、プログラミングコードも理解してくれます。見慣れない言語で書かれたコードを撮影するだけで、「このプログラムは何をしているのか?」を解説してくれるのです。コード初心者にとっては、これが大きな学びの一歩となるでしょう。

Appleらしい「直感的AI」の進化

ここまで読んでいただいて、「結局、ChatGPTに画像を送って分析してるだけじゃないか?」と思われるかもしれません。

でも、ここにAppleらしさがあります。
「画像をアップロードして分析する」ではなく、「ワンボタンで、目の前の世界を読み取ってくれるAI」を誰もが使える形で届ける。それはまるで、スマートフォンが初めてタッチ操作に変わったときのような、“技術の民主化”といえるかもしれません。

今後への期待と制限

もちろん、まだ制限はあります。Visual Intelligenceで読み取った名刺データをアドレス帳に登録するには手動操作が必要ですし、スプレッドシートの直接変換も今後の課題です。

対応機種も限られており、A17 Pro以上やMシリーズのチップが必要。iPhoneなら15 Pro以降、MacやiPadならM1以上が対象です。

しかし、この段階でもうこれだけの体験が可能ということは、数年後にはさらに自然で、生活に溶け込んだ形で使えるようになっているでしょう。


「生成AI in Your Pocket」の時代へ

iPhoneに搭載されたVisual Intelligenceは、まさに「ポケットに入ったAIの目」。日常の中で見えるものすべてを、あなたの代わりに理解し、整理し、翻訳し、助けてくれる存在です。

派手ではないかもしれませんが、確実に私たちの「考える力」「理解する力」を後押ししてくれる、頼れる相棒になっていくでしょう。

テクノロジーの未来は、特別な人のためではなく、誰でも直感的に使えることから始まります。Visual Intelligenceを、まずは一度体験してみてはいかがでしょうか?

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