「スマホばかり見ていると、脳に悪い」
そんなふうに言われたことはありませんか?
でも最近、アメリカ・テキサス大学などの国際研究チームが発表した調査結果は、そんなイメージを大きく覆すものでした。
なんと「スマートフォンやパソコンなどのデジタル技術を日常的に使う人は、認知機能障害のリスクが半分以下だった」と報告されたのです。
研究チームは、平均年齢約69歳、約41万人を対象とした過去57の研究データをもとに分析しました。その結果、特に以下のような「積極的に頭を使う使い方」が脳に良い影響を与えていたことが分かりました。
頭を使う、つながる、助けられる。デジタルが果たす3つの役割
① 複雑な操作で“脳を刺激する”
パソコンやスマホは、指先を使って操作し、言葉を入力し、時にはアプリをダウンロードして新しい使い方を覚えたりします。
この一連の行動が、思考力や記憶力、空間認知能力などを自然に鍛えてくれます。
② ビデオ通話やメッセージで“人とつながる”
研究では、LINEやZoom、メールなどを通じた他者とのコミュニケーションも、認知機能の維持に効果的だったと指摘されています。
会話の内容を考え、相手に伝える。返信を理解し、また答える。こうしたやり取りは、記憶・注意・言語の機能すべてを使う、まさに“脳トレ”なのです。
③ アプリのサポートで“自立を保つ”
さらに、道案内アプリ、服薬管理アプリ、家計簿アプリなどを活用することで、「できること」が増えます。
これによって、生活の中で自信が生まれ、自立を保つことができる。結果として、認知症と診断されるリスクも減る可能性があると考えられています。
ただし、“受け身”はNG
もちろん、スマホの使い方には注意が必要です。
ただYouTubeを流し見したり、SNSをぼーっと見続けたりするような受け身の使い方は、脳への刺激が少なく、逆効果になる場合もあります。
大事なのは、「自分で考え、選び、操作する」こと。
つまり、**“能動的に使う”**という意識がカギなのです。
今日からできる、認知機能を守る5つのアクション
- 週に1回はビデオ通話
家族や友人と、顔を見て話す習慣をつけてみましょう。 - 毎日1つ、短い文章を書く
Xやブログ、日記でもOK。考えたことを言葉にする練習になります。 - 地図アプリで“お出かけプラン”を立てる
知らない場所を検索し、道順を考えるだけでも脳が活性化します。 - 新しいアプリを使ってみる
写真編集、翻訳、語学アプリなど、自分の興味に合ったものを。 - 何かに“頼ってみる”
薬の時間管理、買い物リストなど、アプリの力を借りるのも大事です。
まとめ:デジタルは敵ではない、むしろ味方
これまで「スマホやパソコンは脳に悪い」と思われがちでしたが、実は使い方次第で強力な認知症予防ツールになるのです。
人とつながる。新しいことを学ぶ。工夫して使う。
これらは、まさに“頭を使う”ことそのもの。
年齢に関係なく、「できることを、楽しみながら続ける」ことが、未来の自分を守る一歩になります。
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