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電気なしで食品を冷やす!──インド発「サーマボルト」と新しい冷蔵技術の可能性

今、世界中で「エネルギー問題」や「環境問題」がますます深刻になっています。そんな中、インドの若き発明家たちが驚くべき技術を生み出しました。
それは、**電気を使わない冷蔵庫「サーマボルト」**です。

この発明は、世界的な環境賞「アース・プライズ2025」を受賞し、国際的に注目を集めました。
開発したのは、高校生のドゥルブ・チャウダリーさん、ムリドゥル・ジェインさん、ミスラン・ラダニアさんの3人組。彼らはこの発明により、約170万円の賞金を手にしました。

では、いったいどうやって電気を使わずに冷蔵できるのでしょうか?

目次

塩の力で温度を下げる「イオノカロリック冷却法」

「サーマボルト」の秘密は、塩が水に溶けるときに熱を吸収する現象にあります。
この仕組みを「イオノカロリック冷却法」といいます。

具体的には、主に**塩化アンモニウム(NH₄Cl)**という塩を使っています。
塩化アンモニウムは水に溶けるときに周囲から熱を奪い、その結果、水の温度を最大で28度も下げることができます。
さらに、水酸化バリウム八水和物(Ba(OH)₂・8H₂O)と組み合わせると、温度はなんとマイナス10度にまで下がるのです。

使い方はとても簡単

サーマボルトの使い方はシンプルです。

  1. 銅製のボックスに「塩」を入れる
  2. 水を加える
  3. ジャイロスコープなどで中身をかき混ぜる

これだけで、電気を使わずに食品や医薬品を冷やすことができるのです。

環境問題と医療支援への貢献

サーマボルトは、電気が不安定な地域や、災害時に非常に役立ちます。
特に医療現場では、ワクチンや薬品の保存に冷却が必要です。しかし、電力の供給が不安定な地域では、冷蔵庫が使えない場合もあります。

この技術を活用すれば、安価に、しかも環境負荷をかけずに、大切な薬や食料を守ることができるのです。
実際に彼らは、試作機200台を作り、120の病院に提供して実地テストを行う予定です。

新しい視点:冷却技術のさらなる応用可能性

今回のサーマボルトは、「電気なし」で冷やすことに成功しましたが、このアイデアはさらに応用できそうです。

たとえば──

  • 移動式冷蔵バッグ(災害時やアウトドア用)
  • 農作物輸送用の冷却システム(収穫物を新鮮に保つ)
  • ドローン配送時の冷却装置(医薬品や生鮮食品の輸送)
  • 室内温度調整デバイス(エアコン代替)

など、さまざまな用途が考えられます。
特に、電気が使えない環境においては、画期的な解決策になるでしょう。

特許アイデア提案

今回のサーマボルトを参考に、さらに発展させた特許アイデアも考えられます。


【特許アイデア案】
「イオノカロリック冷却材を用いた再利用可能なポータブル冷却ユニット」

  • 「塩+水」の反応による冷却効果を利用するが、攪拌(かくはん)方法を自動化し、**手動リチャージ(再利用)**できる。
  • 攪拌は、手動レバー、または小型ソーラーパネル駆動によるモーターで可能。
  • 使用後、一定時間で再度「塩材」を交換または回復できる構造とする。
  • 小型医療用、アウトドア、緊急支援用に特化したモデル展開。

これにより、電気に依存しない持続可能な冷却システムをさらに広げることができます。

まとめ

今回紹介した「サーマボルト」は、未来の冷却技術に大きなヒントを与えてくれました。
エネルギー問題や環境問題に立ち向かうためには、こうした身近で、シンプルで、実用的なアイデアがとても重要です。

私たちも、身の回りの「当たり前」にとらわれず、新しい視点で物事を考える力を持ちたいですね。

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