「歳を取ると物忘れが増える…」
そう感じることが増えてきた人も多いかもしれません。
でも、実は記憶力の低下の原因は、脳細胞そのものが減ることではありません。
本当の理由は、脳内の「シナプス結合(神経のつながり)」が弱くなることなのです。
つまり、このつながりを強化・再構築することで、記憶力はまだまだ維持・向上できるということです。
目次
記憶に関わる2つの脳内物質
🧠 ドーパミン
- 「やる気」「報酬」「達成感」に関わる神経伝達物質。
- 楽しいことや目標があるときに分泌され、記憶の想起や定着を助けます。
🧠 アセチルコリン
- 「注意力」や「学習効率」に関与。
- 集中しているときや新しいことを学んでいるときに活発になります。
- **ワーキングメモリ(作業記憶)**の強化にも関係します。
脳の可塑性は生涯続く
脳には**「可塑性(plasticity)」**と呼ばれる特徴があります。これは、新しい経験や刺激によって神経回路が変化・再編される力です。
しかもこの力は、年齢を問わず一生持ち続けることがわかっています。
つまり、年を取っても、適切な刺激を与えれば脳は成長し続けるのです。
記憶力を保つための3つの習慣
① 有酸素運動でドーパミンを活性化
- 週に3回、30分程度の軽い運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)でOK。
- 運動は、ドーパミンの分泌を促し、脳の血流を改善し、栄養が行き渡るようになります。
- 継続が大切なので、自分が気持ちよくできる運動を選びましょう。
② 脳トレでアセチルコリンと集中力を刺激
- 毎日10分で十分です。
- パズル、読書、暗算、スマホの脳トレアプリなど、「集中して考える」習慣をつけることがポイント。
- 注意力と作業記憶(ワーキングメモリ)が鍛えられ、アセチルコリンの活性も期待できます。
③ 脳内シネマ法で記憶を定着
- 寝る前の1分間、その日に学んだことや印象に残った出来事を頭の中で映像化して振り返ってみましょう。
- できるだけ楽しい気持ちで、ポジティブなイメージと結びつけるのがコツ。
- 脳に「これは大切な記憶」と判断させ、定着を助けます。
脳を育てるのは「行動」
最新の脳科学はこう伝えています。
「脳の老化は止められる。そして、正しい刺激を与えれば、より賢く、しなやかに変化できる。」
例えば、運動習慣がある人は、記憶テストの成績が良く、
日々新しい挑戦をしている人ほど、脳の萎縮が少ないという研究もあります。
さらに、良い食事は脳細胞の毒素を排出し、柔軟性を高め、可塑性をさらに後押ししてくれます。
まとめ
- 脳の老化は止められないが、遅らせることはできる。
- ドーパミンとアセチルコリンは、記憶や学習に不可欠な物質。
- 運動・脳トレ・イメージ活用など、日常でできる工夫で、脳は何歳からでも強くなる。
「歳だから…」とあきらめずに、
脳と仲良く暮らす習慣を、今日から始めてみませんか?
▼ 参考動画・出典 UW Video – Flexible Memory Processing and the Brain: The Impact of Aging Speaker: Prof. Sheri Mizumori (University of Washington, Department of Psychology)
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