失語症のこと、知ってください。ゆっくりで大丈夫です。
こんにちは。
私は失語症があるため、口頭でのコミュニケーションが難しいです。
失語症は、脳の損傷によって起こります。
そのため、日常の「当たり前」が、急に難しくなることがあります。
たとえば――話す・聞く・読む・書く。
この4つが、思うようにできなくなることがあります。
なお、日本だけでなく海外の方にも伝わるように、英語版も用意しました。ただ、私の拙い英語の発音をお許しください。
2019年11月17日、突然「言葉の意味」が消えた日
私は2019年11月17日、ゴールドジムから帰宅したあと、
自宅で脳卒中(脳梗塞)を起こしました。
そのとき、まず右手が動かなくなりました。
そして、もっと不思議で、もっと怖かったのは――
音は聞こえるのに、言葉の意味が分からない。
相手が話していることは「聞こえている」。
でも、頭の中で「意味」にならない。
まるで、知っているはずの日本語が、急に別の言語に変わったような感覚でした。
病院でのやり取り:ゆっくりが、救いになる
病院で言われた言葉が、今も心に残っています。
「体温は97.7°F(華氏)です。」
「すみません。今は理解できません。」
「大丈夫ですよ。ゆっくりでいいです。私がゆっくり話します。」
この「ゆっくりでいいですよ」という言葉は、
ただの優しさではなく、**私にとって“理解への橋”**になります。
失語症は、決して珍しい病気ではありません
失語症の人は、
日本に約50万人、アメリカに約200万人いると推定されています。
それでも、私は感じています。
まだまだ、失語症のことは知られていないと。
見た目では分かりにくいことが多く、
「普通に聞こえているなら、分かるでしょ?」と言われることもあります。
でも、失語症はそうではありません。
ウェルニッケ野とブローカ野をご存じですか?
脳には、言葉に関係する場所があります。
たとえば、よく知られているのが――
- ウェルニッケ野(言葉の意味の理解に関わる)
- ブローカ野(言葉を話すための組み立てに関わる)
ここが損傷すると、
「聞こえているのに分からない」
「言いたいのに言葉にならない」
などが起こることがあります。
私の中で繰り返される会話
体調が悪いとき、会話はこんなふうになります。
「体調は大丈夫ですか?」
「ゆっくり話します。」
「すみません。声は聞こえるのに、言葉が分かりません。」
「大丈夫です。」
「一つずつ、ゆっくり進めましょう。」
「大丈夫ですか?」
「ゆっくりでいいですよ。」
「す……すみません。」
「大丈夫、急がなくていいです。」
「ゆっくりで大丈夫です。」
このやり取りは、短いようで、私にとってはとても大切です。
なぜなら「急がされる」と、理解が追いつかなくなるからです。
お願い:失語症を知って、広めてください
失語症は、本人だけの問題ではありません。
周りの人が「知っている」だけで、状況は大きく変わります。
- ゆっくり話す
- 短い文で区切る
- 返事を急がせない
- “分からない”と言える空気を作る
それだけで、救われる人がいます。
どうか、失語症について知ってください。
そして、ぜひ周りにも広めてください。





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