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心臓が止まるかと思った夜──大学時代に診断された「スポーツ心臓」の記録

私は大学生のとき、健康診断で「心拍数が異常に遅い」と指摘され、病院で再検査を受けたことがある。

そのときに行われたのが「ホルター心電図」という検査だった。これは、携帯型の心電計を24時間身につけて心電図を記録するというものだ。日常生活の中での心拍の状態を詳細に把握するための検査である。

検査の結果、幸いにも命にかかわるような危険な不整脈などは見つからなかった。ただし、医師からは「スポーツ心臓(スポーツハート)」と呼ばれる状態であると説明を受けた。これは、日常的に激しい運動をしている人にみられる心臓の生理的な肥大であり、その結果、安静時の心拍数が極端に少なくなるという。

私の安静時の脈拍は1分間に約40回、就寝中には34回程度だった。成人男性の平均的な脈拍数が60〜80回程度であることを考えると、かなりの低さである。

就寝中の心拍数が30台というのは、2秒に1回程度しか心臓が拍動していない計算になる。一般的な心拍であれば、拍動と拍動の間は短く、意識する間もなく次の鼓動が来る。しかし、拍動間隔が長いと「次はいつ来るのか」と待ってしまう感覚が生じる。布団の中で耳を澄まし、自分の心音を聞いていて、「もしかして止まってしまうのではないか」と、不安になることがあった。

また、私には「期外収縮」と呼ばれる、拍動が一瞬抜け落ちるタイプの軽度な不整脈もみられた。これは誰にでも起こりうるもので基本的には心配いらないと言われたが、一拍抜けたあとに長く無音の時間が続くため、その間の不安感は思いのほか強かった。

なお、スポーツ心臓は運動習慣をやめると、1年ほどで元に戻るとされている。実際、今では私の安静時の脈拍数も50回前後となり、ほぼ一般的な範囲に落ち着いている。

とはいえ、当時の「身体が動いて当然」という感覚は今でも残っており、つい若い頃のように無理をしてしまうことがある。年齢とともに変化する自分の身体を受け入れ、「もう若くない」と認めることの難しさを、つくづく実感している。

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