オーケストラでは、全ての楽器のA(ラ)の音が同じになるように調律されるが、アメリカでは主にA=440Hz、ヨーロッパでは主にA=442Hzになるように調律されるらしい。
たった2Hzの違いであるが、人によってはこの違いが我慢できない場合があるようだ。
20世紀を代表する指揮者の一人であるトスカニーニは、アメリカのオーケストラを指揮した後でヨーロッパで指揮すると、音程が違うので気分が悪くなる、と言っていたことをどこかで読んだことがある。トスカニーニはたった2Hzの違いが我慢できなかったようだ。

私は、ヴァイオリンの調律用に440Hzと、442Hzの2種類の音叉を持っている。しかし、これらを聞き比べても違いは殆ど分からない。2つを同時に鳴らすと、うなりが発生するので、周波数が違うのは分かるのだが・・・。
一流の音楽家は、普通の人間よりも、耳の性能が桁違いに優れているようだ。彼らの優れた聴覚によって、我々が気づかないレベルまで端正に整えられた音楽が紡ぎ出されるのかもしれない。
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