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春日部交響楽団第32回定期演奏会へ行きました。

昨日、春日部市民文化会館大ホールで、ベートーヴェン交響曲第2番とブラームス交響曲第1番の演奏を聴きに行きました。

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演奏は、埼玉県春日部市を中心に活動しているアマチュアオーケストラによるものでした。このオーケストラは、年一回の定期演奏会の他、ニューイヤーコンサートなど様々な活動を通して、地域の文化振興に貢献しているそうです。団員は主婦、学生、サラリーマンなど、職業も年齢も国籍も実に様々。音楽経験も、初心者から音大出身者まで幅広いですが、アットホームな雰囲気の中で互いに切磋琢磨しているとのことでした。

まず、ベートーヴェンの交響曲第2番について。私は第5番や第9番は知っていましたが、第2番を聴くのはこれが初めてでした。アマチュアオーケストラの演奏とは思えないほどレベルが高く、驚きました。

第1楽章は、ゆっくりとした深みのある序奏から、力強く速い主部へと見事に移り変わる曲でした。第2楽章は、のんびりとしたテンポで奏でられる、とても美しい旋律が心に残りました。第3楽章は「スケルツォ」と呼ばれる形式で、軽快で躍動感にあふれる楽しさが伝わってきました。最後の第4楽章は、非常に速く、独特なリズムで始まり、圧巻の長さと迫力を持つコーダ(終結部)で堂々と締めくくられました。

続いてブラームスの交響曲第1番。この曲は大学生の時に聴いて知っていましたが、生演奏で聴くのは初めてでした。

第1楽章は、重苦しく緊張感のある序奏から始まり、劇的で情熱的な主部へと発展していきます。第2楽章は、穏やかでありながら深い情感をたたえた、非常に美しい旋律が印象的でした。第3楽章は、ブラームスらしい親しみやすい旋律が特徴の、優雅でほのぼのとした間奏曲です。そして第4楽章は、暗く沈んだ序奏から、やがてベートーヴェンの「歓喜の歌」を思わせる力強く輝かしい主題が現れ、圧倒的な盛り上がりのうちに曲を終えました。この「暗く沈んだ序奏から、輝かしい主題が現れる」までの劇的な構成が最も胸を打たれ、思わず涙がこぼれそうになりました。

この感動は、プロの演奏を聴いた時とはまた違う種類のものでした。確か数年前、東京オペラシティでマキシム・ヴェンゲーロフのヴァイオリンを聴いたことがあります。あの演奏はもちろん技術的には素晴らしく、音色も美しかったのですが、なぜか涙が出るほど心を動かされることはありませんでした。

一方で、今回のアマチュアの演奏には、団員の皆さんが音楽を純粋に愛し、一から作り上げようとする熱意やひたむきさが感じられ、それが音楽に生命力と温かみを与えていたように思います。 技術の完璧さだけではない、音楽そのものの持つ力や、演奏する喜びが直接伝わってくるような、そんな稀有な体験でした。このオーケストラのこれからの活動が、ますます楽しみになりました。

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