週1回の筋トレ習慣から、2019年11月の脳梗塞発症、そして脳の中で何が起きていたのかを、できるだけ分かりやすくまとめました。どなたかの参考になれば幸いです。
プロフィールと記録(発症前)
- 身長:168cm
- 体重:67〜69kg(安定)
- ベンチプレス:100kg
- 頻度:毎週1回、ジムで筋力トレーニング
- 補給とケア:トレ後に**アミノバリュー BCAA 4000(500ml)**を飲用。ストレッチとクールダウンを習慣化。

トレーニング内容
ベンチプレスだけでなく、脚・背中・肩・体幹など全身をバランスよく鍛えるメニュー。目的は筋力と体調の底上げ。
小さな健康チェックの記録
- 2018年6月7日(木):脳ドック(※スマート脳ドック)受診。**総合判定は「ごく軽度の脳虚血性病変」**という所見でした。

2019年11月17日:脳梗塞を発症
その日の朝6時にジムへ行き、帰宅後に体調が急変。
発症時の症状(思い出せる範囲)
- 右手が動かない
- 意識がだんだん遠のく
- 右足は動いていた(右手ほどは麻痺しなかった)
- 言葉に関する記憶が乏しい(うまく思い出せない)

家族の対応と搬送
長女や妻が何度も「パパ!」と呼びかけても返事ができない状態。家族が救急車を呼び、私が搬送されました。

近くの病院で「対応が難しい」との判断があり、より大きな病院へ転院。MRIで検査ののち、脳梗塞と診断。
かんたん解説:脳梗塞とは
脳の血管が詰まり、血流が途絶えてしまう状態です。血の巡りが止まると、その先の脳細胞は酸素と栄養を受け取れず、ごく短時間で働けなくなる(壊死する)ことがあります。
脳は綿密に配線されたネットワークなので、一部が断線しても全体の働きに大きな影響が出ます。
なぜ「右手>右足」の差が出たの?
運動をつかさどる脳の地図では、右手・顔の運動は左の中大脳動脈(MCA)領域に強く依存します。一方、足の運動は前大脳動脈(ACA)領域の影響も大きいため、MCA域が障害されても足の麻痺が比較的軽いことがあります。今回の私の症状は、この血管の守備範囲の違いで説明がつきます。

言葉の記憶が薄い理由
後から分かったのですが、私はウェルニッケ失語(言語理解の障害)を起こしていました。**左側頭葉後部の「言葉の理解エリア」**がうまく働かないと、聞いた内容が頭に入らず、出来事の記憶も曖昧になりがちです。
意識が遠のいたのは?
広い範囲の虚血や脳のむくみ(浮腫)、全身の血圧・心臓の問題、あるいは発作(てんかん)や発作後の状態でも起こりえます。実際の見極めは画像と経過で行われます。
もう少し踏み込んだ脳の中の話(やさしく)
- 急性期(発症〜数時間):血流が途絶えた中心部は壊死。その周りに**ペナンブラ(助けられる余地のある領域)**ができます。
- 1〜3日:脳のむくみがピークになり、症状が一時的に悪化することも。
- 数週〜数か月:壊死部はグリア瘢痕に置換。周囲や反対側の半球で**回路の組み替え(可塑性)**が進み、リハビリが効きやすい時期です。
- 長期:傷ついた周囲が興奮しやすい環境になり、てんかんや高次脳機能障害の土台になることがあります。
メモ:**神経細胞(ニューロン)**は酸素不足に弱くすぐ機能不全に。グリア細胞(とくにアストロサイト)は少し粘れますが、環境が乱れて脳全体の情報処理の質が落ちることがあります。

今の私と、これから
- 運動:無理のない範囲で継続。フォームと回復を重視。
- リハビリ:**言語リハビリ(失語症)**を地道に。
- 生活:睡眠・栄養・服薬アドヒアランスを大切に。
- 家族へ感謝:あのときすぐ救急要請してくれた家族に、いまも感謝しています。
まとめ
- 週1の筋トレで体力の土台を作っていたが、2019/11/17に脳梗塞を発症。
- 右手の麻痺>右足、言葉の記憶が薄い、意識の低下は、左MCA領域+言語理解エリアの障害像と整合。
- 脳の回復には時間と反復が必要。可塑性を信じて、運動・リハビリ・生活習慣を続けていきます。
※この記事は私個人の体験と一般的な解説です。診断・治療は必ず主治医とご相談ください。
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